日本最北端の地・礼文島のスコトン岬を訪れた話

Hokkaido

フェリーで目指す花の浮島

少し前に札幌から特急宗谷号で稚内まで向かった話をしました。今回はその旅の続きで、稚内から礼文島最北端のスコトン岬を目指した話をしましょう。

礼文島とは、稚内の西約60km地点に浮かぶ日本最北の離島です。その冷涼な気候から平地でも高山植物が咲き乱れることから別名花の浮島とも呼ばれています。植物が好きな人ならば、レブンアツモリソウの自生地として思い浮かぶのではないでしょうか。

日本最北の離島という特性から観光客が多く訪れるのはもちろんですが、島の収入源の大半は漁業が占め、隣の利尻島と合わせて利尻昆布の産地としても有名です。

筆者はよく伊豆諸島や沖縄などの南方の離島には行くのですが、北方の離島に赴くのは初のこと。ワクワクするのは勿論ですが、渡航前からどこか気乗りのしないような、物憂げな気分に苛まれます。大人しくダナンにでも居ればいいものを。

ハートランドフェリーに乗船

Apr/26/2021 13:40

稚内駅から稚内港のフェリーのターミナルまでは700mほど離れていました。稚内港周辺はどこもがらんとしていて、嫌でも最北の地に居ることを実感させられます。おまけに風が強く、晴れていても寂寥感が拭えません。こんなことを言ったら失礼なのかもしれませんが、稚内に住む人々は日々何を思って暮らしているのでしょうか。週末は何をして過ごしているのでしょうか。

Apr/26/2021 14:16

礼文島行きのフェリーはハートランドフェリーという会社が運航しています。ターミナルは予想に反して近代的で、東京の私立大学のような造りでした。食券の自販機のような券売機でチケットを買うのですが、大学の在籍証明が出てきそうな雰囲気です。礼文島までの運賃は片道3,950円。約2時間の船旅です。

Apr/26/2021 16:38

2等船室は御覧の通りガラガラで、とても快適な船旅でした。ハートランドフェリーにはいくつかの船が在籍していますが、この日当たったのはボレアース宗谷だったと思います。総トン数は3,578トンなので、かつて伊豆諸島航路で活躍していた東海汽船のかめりあ丸に相当する大きさです。ちなみに、私にとっての東海汽船は熱海航路がシーガル、東京航路が2代目さるびあ丸とかめりあ丸だった時代。特に熱海港に停泊していた双胴高速船シーガルの雄姿にはえもいえぬカッコよさを感じたものです。

今ではシーガルはジェット船に、さるびあ丸は3代目に、かめりあ丸は橘丸に置き換えられてしまいました。船の寿命は20年ほどと案外短いものです。

Apr/26/2021 16:38

船上からは、特急宗谷からも見えていた利尻島が見えました。利尻島は別名利尻富士ともいいますが、綺麗な成層火山で、山麓まで雪を冠している姿は確かに富士山に似ています。というか、成層火山自体が世界的に特に珍しいものではなく、世界には富士山に似ている山がいくつもあるようです。トリップアドバイザーのこちらの記事が面白かったので皆様も是非ご覧ください。

スコトン岬へ

Apr/26/2021 18:40

礼文島着後は車でスコトン岬へ向かったため、写真撮影をすることができませんでした。札幌駅を朝7時半に出発して、スコトン岬に到着したのは夕方の6時過ぎだったと思います。

雪解け直後の訪問だったので、有名な高山植物はまだ芽を出しておらず、一面に広がる荒涼な風景に終始唖然とさせられてしまいました。

Apr/26/2021 18:43

スコトン岬には勿論お店もなにもないので、日没とともに今日の活動は終了です。今回はあるつてでの訪問だったので、その方のお宅に泊まることになります。スコトン岬には星観荘という有名な宿があるので、普通の旅行ならそちらに泊まればよいでしょう。

Apr/27/2021 9:56

翌朝、日が高くなってから岬周辺を散策してみました。昼の景色は夕方とは打って変わって、ダイナミックながら穏やかなものでした。冬の城ヶ島や伊豆高原といっても差し支えないような感覚です。

Apr/27/2021 9:56

しかし、雪の降るシーズンには、岬周辺は猛烈な地吹雪で歩くことさえできなくなるといいます。漁で生計を立てている人は冬の間は休みなのでしょうか。

Apr/27/2021 9:48

崖下には、今尚そこで漁をしながら暮らしているという老夫婦のお宅がありました。一見すると船小屋のようですが、歴とした自宅です。地元の方の話によると、彼らは生活に必要な分の魚介類しかとらず、そこでつつましい生活を営んできたそう。そのようなライフスタイルが現代の日本に残っていること自体が驚きですが、それでも自然は人を活かしてくれるのだ、ということを考えさせられました。まるで、タイの故プミポン国王の足るを知る経済を彷彿させる生き方ですね。

Apr/27/2021 10:09

海をのぞくと、無数の昆布が生えていました。礼文島の海は根魚や甲殻類が豊富なのですが、それでも安定した商品価値のある昆布は島の収入の多くを占めているといいます。関東でいうところのホンダワラやヒジキのような感覚で利尻昆布が生えているので、それもその筈です。

Apr/28/2021 5:18

そして午後には天候が悪くなってきました。岬の向こうにある島はトド島という無人島で、その名の通り野生のアザラシが生息しています。この日も何頭か確認できましたが、どの個体もとてもリラックスしている様子でした。人や他の動物の脅威がないため彼らにとっては楽園なのでしょう。うらやましい限りです。

Apr/28/2021 13:50

ちなみに、帰りのフェリーからは行よりも利尻島がくっきり見えました。礼文島は断崖の島で居住可能範囲が狭いのですが、利尻島は利尻富士の広々とした裾野でもっとゆったり暮らせそうです。農業もできないことは無いでしょう。次回稚内を訪れる機会があれば、利尻島に渡ってみたいと思います。

arutetsu

釣り哲学と採集生活の追求をライフワークとする30代オサーンの私的なブログ。最近は都市河川でのバス釣りなどルアー中心の釣行スタイルにシフト。ベトナムを中心に東南アジアの文化の話もちらちらと。Phạm Ngũ Lãoで、ぼくと握手。

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